ご家族の様子が
気になったら

「最近、親の様子がおかしい」「入院した親の退院をどうするか、急に聞かれて困っている」——そんな戸惑いを抱えているご家族の方へ。突然のことで不安になるのは、当たり前のことです。きっかけが何であっても、進め方には共通する道筋があります。落ち着いて、近いものから選んでみてください。

監修:運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任(回復期病棟が中心、地域包括ケア・療養・デイケア・訪問リハビリにも携わる)[試作版のため一部仮表記]

こんな様子はありませんか?

ご本人の様子から選んでいただくと、まず何をすればよいかがわかります。

転倒が増えた

まずは受診してください。特に頭を打った場合(覚えていない場合も含む)、数週間〜数か月後に頭痛やもの忘れ、歩行の変化として遅れて症状が出ることがあります(慢性硬膜下血腫)。原因がはっきりしたら、地域包括支援センターに相談し、訪問リハビリで生活動作を確認してもらったり、福祉用具のレンタルから試したりする段階に進みます。

失禁が増えた(トイレの失敗が増えた)

尿路感染症や便秘、薬の副作用など、治療で改善する原因がないか、まず医療機関で確認してもらってください。歩行の変化やもの忘れも同時に進んでいる場合は、手術で改善することがある「正常圧水頭症」の可能性もあるので、あわせて伝えてください。

物忘れ・認知症のような症状が進んだ

もの忘れ外来やかかりつけ医で、まず診察を受けてください。歩行が小股でよちよちになる、方向転換の時に転びやすい、尿失禁も進んでいる、といった変化が重なっている場合は、手術で治療できるタイプの認知症(正常圧水頭症)の可能性もあるので、受診時に伝えてください。

歩行や日常の動作が難しくなってきた

何が・どこまでできて、何が難しいかを具体的にメモしておくと、その後の相談がスムーズです(例:階段だけ難しい、方向転換で転びやすい、など)。小股でよちよち歩く、方向転換でよく転ぶといった変化がある場合は、治療できる病気(正常圧水頭症など)が隠れていることもあるので、受診時に伝えてください。

内服の管理が難しくなってきた

まずはかかりつけの薬局に相談してください。一包化(薬をまとめて1袋にする)や服薬カレンダーの活用など、薬局側で対応できる工夫があります。医師に相談し、薬の種類自体を減らせることもあります。

食事の量や食欲が減った

体重の変化を記録し、まずはかかりつけ医に相談してください。むせる、飲み込みにくそうにしているといった様子があれば、あわせて伝えてください。専門的な嚥下(飲み込み)の評価につながることがあります。

その他、気になる変化がある

どんなきっかけでも、まず相談してよい段階です。「こんなことで相談していいのか」と迷う必要はありません。

どの様子の場合も共通:相談先と、申請のこと

上のどれに当てはまる場合でも、進め方の入り口は同じです。

こうした変化は、介護保険サービスを考え始める一つのきっかけです。まずは「地域包括支援センター」に相談してください。お住まいの市区町村ごとにある、高齢者のための無料の総合相談窓口です。「まだ介護が必要かわからない」という段階でも相談できます。「(お住まいの市区町村名) 地域包括支援センター」で検索すると、担当の窓口が見つかります。

介護保険サービスを使うには「要介護認定」の申請が必要です。申請も同じ窓口でできます(申請は無料、結果が出るまで約1か月)。

認定調査の日に気をつけたいこと

調査当日、本人が思わず「できます」と答えたり、いつも以上に頑張ってしまったりして、実際の生活より軽く判定されてしまうことがあります。普段の様子(夜間の様子、疲れた時の状態など)をメモしておき、家族から伝えるようにしてください。本人の前で言いにくい内容は、調査員に別途伝えるか、あらかじめ地域包括支援センターに伝えておく方法もあります。

申請が済んだり、担当のケアマネジャーが決まったりと、次の段階に進んだら、「今の手続きの状況から選ぶ」もあわせてご覧ください。

── または ──

今の手続きの状況から選ぶ

すでに相談や申請を始めている方は、こちらから探すとスムーズです。

相談・申請はしたが、担当の人がまだ決まっていない

ここで言う「担当の人」は、一般に「ケアマネジャー(介護支援専門員)」と呼ばれます。要支援と判定された場合は地域包括支援センターがそのまま担当し、要介護と判定された場合は「居宅介護支援事業所」の中からケアマネジャーを選びます。

認定結果を待つ間でも、暫定的なケアプランでサービスを始められることがあります。急ぎの場合はケアマネジャー候補に相談してください。

担当の人(ケアマネジャー)が決まり、サービスを相談中
すでにサービスを使っている・内容や費用を見直したい
本人が入院している

まだ治療が中心の病院にいる(症状が落ち着くまで様子を見ている段階)場合は、まず病院の相談窓口(地域医療連携室・医療相談室など、病院により呼び方が違います)に、退院後の生活について相談してください。要介護認定は入院中でも申請できるので、早めに動いておくと退院後の準備がスムーズです。

リハビリが中心の病棟に移った、または退院を意識し始めた場合は、こちらのツールが使えます。

流れを見ながら、使えるツールを探す
  1. 地域包括支援センターに相談する
  2. 要介護認定を申請する(結果まで約1か月)
  3. ケアマネジャーを探す・契約する
  4. ケアプランを作り、サービスを組み合わせる
    デイケア/デイサービス診断介護サービスの自己負担シミュレーター
  5. 自宅の環境を整える(手すり・福祉用具など)
    住宅改修と福祉用具の費用
  6. 費用を把握し、必要に応じて見直す
    介護サービスの自己負担シミュレーター